放射線について

米国、英国、仏国の見解

  テレビでたびたび解説されているが、出演する先生方によって、内容が異なるので、素人は何を信ずべきか良く分からない。海外の新聞報道は、爆発した建屋の写真だけをみて、1986年4月26日未明、ウクライナ共和国にあるチェルノブイリ原子力発電所の4号炉と同じだから、とても危険というものが目立つ。
  

  そこで、原子力開発の先進国である米国、仏国、英国からの専門家が作った解説記事を探してみて、比較的、良心的と思われるものを集めてみた。先ずは、カリフォルニア大学のモンリオール教授が3月16日に行った講演であるが、ここでは、放射線の人体への影響が詳しく述べられている。少し専門的な内容であるが、チェルノブイリの場合との違いは明確に示されている。現状では福島の原発の被害は半径50km以内と結論している。カリフォルニア大学サンタバーバラ校は、ロスの北にある風光明媚な大学で、青色ダイオードの中村教授のいるところで、核物理ではノーベル賞物理学者もいる。

  次に、英国のChief Scientific Officerの3月15日つけで、Sir John Beddingtonの見解であるが、日本政府が言っている警戒ゾーン30kmは正しい。最悪の炉心むき出し爆発でも、50km離れていれば安全という。東京では健康被害は問題なく、風が吹いても50km以上に危険数値はでない、雨が降っても関係ない。日本政府が数値をごまかして発表することはあり得ない。福島原発の設計図は世界中の関係者が持っているし、情報を常に監視しているから、隠してもすぐばれる。また、今までの記録があり、現在も必ず記録が残っているので、ごまかすことはできない。チェルノブイリの場合は、爆発で放射性物質が非常に高い空の層(10km)まで上った。日本で最悪の事態(チェルノブイリと同様に、原子炉の炉心が爆発する事態)になっても、高度はずっと低くなる(500m)。チェルノブイリと炉に使っている材質が違うからで、危険度は格段に違う。

   フランスは電力の70%を原子力にたより、その上、ドイツへの電力輸出国でもある。ここの原子力安全保安局が日本語で出している解説であるが、これも先の英国のレポートにほぼ同じ内容である。