東京での被曝線量

東京での放射線量(物理化学の復習4)
  自然界には様々な放射性物質放射線が存在している。自然放射線と呼ばれる。これには、大地からのもの、宇宙からのもの、食品に含まれるもの、空気中のラドンなどからのものである。これらは世界平均で年間2.4ミリ・シーベルト(mS)の被曝量になる。ブラジルやインドのある地方では10mSのところもあるし、パリやローマでは2.2mS、日本は低い方で1.5mSとなる。

  

  新聞に毎日掲載されている放射線量のデータによれば、16日の午前9時に新宿駅で毎時0.07マイクロ・シーベルト(μS)と出ている。この値を年換算すれば、0.6mSだから、311以前の日本の平均値の半分以下なので全く問題はない。新聞の記事では、いかにも福島原発事故のため、東京にも影響が出ているかのような印象を与えている。
311以前の日本の年間平均値1.5mSを新聞記事の単位に換算すると、毎時0.15μSとなる。この値を超える所は、原発周辺の町だけである。

  ロシアの専門家が東京狸穴のロシア大使館で7日から1週間にわたり、放射線量のデータを取ったが、その結果も同じようなもので、東京での値は、現在のモスクワの値の半分と報告されている。できるだけ放射線には当らない方がいいが、むやみの恐れることもない事が分かる。

  確かに3月13と14日に原発の建屋が水素爆発で吹き飛んだときには、その2,3日後に新宿駅での値が、この3倍になっていたが、それでも日本全体の平均値と余り変わりはない。これに驚いて、東京を脱出してローマやモスクワに戻ってみたら、実は東京よりも多くの放射線を被曝していたという皮肉な結果が示されている。