世界中からの友情

トモダチ作戦
  先日、米国債長期格付けを格下げすると言う小さな記事が出ていた。それは日本と同様に2008年9月のリーマンショックで急激に財政赤字が増加して、債務上限法に引っ掛かる可能性が出てきているからだ。この法律では、政府の債務残高の上限は14.3兆ドル、円換算では1200兆円と決められていて、5月下旬にはこの値に達するみたいだ。共和党は反対しているが、大統領は上限を引き上げる意向を表明している。
  

  東北の大災害では、大統領も国務長官も「揺るぎない支援」を事あるごとに表明している。言葉通りに、米軍は陸海空軍あわせて2万人近い動員をかけた。宮城県沖に展開した原子力空母「ロナルド・レーガン」をはじめ、沖縄からは海兵隊も参加して、艦船10隻、へり80機が救援支援活動に参加した。今でも、JR仙石線のがれき撤去に「ソウル・トレイン」作戦などと言って、自衛隊と共に米軍50人が参加している。

  世界各国からの義捐金が1000億円ともいうが、米国のトモダチ作戦の総費用は、おそらくこの10倍くらいにはなると思われる。日本は世界中に借りを作った形になっている。とりわけ米国に対しては、いくらトモダチとはいえ、その代償をいずれは提供しなければならない。

  米国債保有残高は中国に次いで日本は2位であり、現在75兆円あるが、支援の見返りとして、この1%ぐらいは放棄することが予想されている。そうなると、米国債の上限までに余裕ができて、米国政府は国債を発行できる事になる。これは日本にとってきついので、世界一の金保有国の米国だから、その金を日本が米国債で購入するという策まで噂に上っているみたいだ。米国以外の国に対しても、これから何かと「あの時」の見返りを気にしなければならないだろう。