電子書籍時代

電子書籍先進国

  米国でオンライン小売り大手、アマゾン社の現時点のベストセラーリストの上位50位にランクした電子出版作品のうち、15冊は1ドルから5ドルで販売されている。 電子書籍専用端末、タブレット型端末、それに携帯電話の普及で電子書籍の売り上げが急増している。大手出版社はかつて軽視していた電子書籍出版の対策を考え始めている。

   日本の出版事情とは異なり、もともとアメリカでは新刊書が出ると同時に、割引販売が行われる競争社会だった。作家、出版社、流通会社、書店ががっちりとスクラムを組んで、新刊書の再販制度を維持している日本とはだいぶ様子が違う。5年前とは違い、米国では電子書籍出版が低価格となり、無名の作家でもだれでも著作を公にできる時代となった。

  米国の大手出版6社は、電子書籍の低価格攻勢によって出版社の伝統的な事業形態が浸食されることに懸念を深め、「エージェンシー・モデル」、即ち、電子書籍の小売価格を出版社が設定するシステムを立ち上げているが、アマゾンのモデルには太刀打ちできていない。


  このような動きは、遅かれ早かれ日本にも出てきて、出版、流通、書店モデルは崩壊する時がやってくる。すでに書店では、小さなところは町から姿を消して、大型書店しか生き残れなくなっている。また、部数の少ない専門書などは、当初から電子出版することで、コストを大幅に下げる事が容易になってきている。これに伴い学生たちの負担も軽減されるメリットが大きい。

 
  既存の本を自炊で電子化するのはお余り意味がないが、これまでは出版社が引き受けないような些細な本でも気楽に電子書籍として世に出すことが、誰にでもできるようになった。因みに、管理人も電子書籍を出してみた。前に予備校で教えていた整数論に関する入試問題解説である。学術的な価値は全くないが、定価も付けられている。ただし、売り上げはすべてチャリティとしている。


作成した電子書籍
整数論の入試問題解説(1) http://p.booklog.jp/book/19261

整数論の入試問題解説(2) http://p.booklog.jp/book/20585