都市の災害ランク

災害リスク格付け

   ミュンヘン再保険会社が公開した災害リスク格付けで、東京と横浜は世界ワースト1位の危険都市に選ばれている。地震などの自然災害が発生する恐れや都市の脆弱性を計算したもので、東京・横浜は2位のサンフランシスコ(指数167)以下を引き離し、指数710をマークした。東京は保険会社も逃げ出したくなるような自然災害危険都市という。

   相模湾震源地として1923年9月1日午前11時58分に起きたM7.9の関東大震災では、死者行方不明者10万人、家屋の全壊11万戸、焼失家屋21万戸という未曾有の大災害だった。 被害総額は当時の国家予算の1.5年分に達した。その前の大地震は、1855年11月11日に起きて、南関東直下型のものでM7.0の大きさであり、安政地震と言われている。過去のデータから、首都圏を襲う次の大地震は70年から100年周期となっている。

   政府の中央防災会議の出している予報は「東京湾北部地震について、切迫性が高い」と言うし、地震調査委員会でも「東京湾周辺直下地震は30年以内に70%の確率で起きる」と予測している。16世紀末に秀吉が家康を浜松から江戸へ追いやった時に、家康が目にした江戸の中心は葦と池の湿地帯だった。今の日比谷公園あたりが海岸線だった。だから、千代田区を中心とした東京は、土砂が堆積してできた沖積平野が地盤で、その後に埋め立て地で構成されている。

   311災害では、液状化は横浜から千葉までの湾岸地域に限られていたが、直下型では広く内陸部まで広がる事になる。M7程度で’防災会議が予想している被害は、死者1万人、負傷者20万人、平日なら帰宅難民700万人、被害規模は予算規模を上回る総額120兆円と出されている。311で予行演習をしたと思って、来るべき地震津波に備える心構えだけはしておきたい。