医療被曝の実態

診断被曝によるがん発生率
  エックス線による胸部や胃の検査、コンピューター断層撮影法CTやPETによるガンの早期発見や脳卒中放射線診断など、診断技術の向上がもたらす被曝量は増加してきている。すでに、世界保健機構WHOからも、日本人は被曝好きなどとからかわれているぐらい、医療被曝量では世界一である。人口100万人当たりのCT設置台数では100台で、アメリカの30台を大きく引き離している。

  

  CTという1台1億円もの設備投資を医療機関が投資したら、早期に資金を回収するために、フル回転させる必要性に迫られて検査被体をできるだけ集めることになる。これによる発がん率の推定が、英国の医学誌に掲載されている。医療機関での放射線診断による被曝が原因の発がん率は、年間の全がん発症者の3.2%を占めると出されている。2位はドイツの1.5%だから、ダントツであることが分かる。調査対象国はG8を含む15カ国である。


  もっとも一般的な胸部エックス線検査数は世界平均の2倍、また胃のバリウム検査は欧米ではあまり実施されていない。40歳以上の日本人で、バリウム検査を殆どの人が複数回にわたり受けている。確かに、これにより、ガンの早期発見に貢献していると言われているが、やはり、何でも検査すれば安心という体質を持っていることも事実であろう。