有識者会議と言う無駄遣い

人を集めたがる人
  どこの組織でもあると思うが、何か事あると直ぐに会議を開き、委員会を作って仕事をしているように装うトップがいるものだ。自民党の安倍元首相も大小取り混ぜて70もの諮問会議や委員会を立ち上げた。覚えているだけでも、教育再生会議、再チャレンジ推進会議、安全保障の再構築に関する懇談会など、民間から人を集めていた。これらのメンバーはたいていは首相周辺の関係者が抽出するもので、あまりにも独自の意見を持つ人は敬遠される。

 

  委員になって会合に出ると、辞令が出て、1回当たり2万円ものお車代が出る。委員長にでもなれば特別手当まで付いてくる。委員になったからと言って、何か資料を自分で用意する必要はなく、指定された期日に指定された場所の出ると、すでに机の上には役人の準備した資料が準備されている。そして、後ろに控えた役人が、その資料の説明をしてくれるから、それに対して質疑応答するだけのことだ。


  311災害では多くの委員会や会議体ができているが、最大のものが復興構想会議で、現在40名もの委員が任命されている。これの事務局として財務省など各省庁から70名もの官僚が内閣府に出向している。役人にとっては補正予算の分捕り合戦に関係しているから、極めて重要なものなのだ。このために国会周辺のビルにオフイスまで借りているようで、莫大な税金の無駄遣いなのである。


  トップにリーダーシップと政策立案能力があれば、このような委員会や会議は全く必要はない。有識者と称する有名人を集めて会議体を作ることで、首相の無能力を隠すお膳立てにはなる。税金の無駄遣いだし、何もできない口実にもなる。ましてや延命にために利用するなどは許すことはできない。首相が交替すれば、多くの会議や委員会はそのまま消えてゆく。