日米を揺るがす三大問題

経済、軍事、原発

  先ずは経済問題であるが、この6月末で総額48兆円を投入した米国債購入のFRB量的緩和第2弾QE2が終了する。議長はデフレ懸念を克服したとして勝利宣言をしたが、米国内でカネ余りの副作用で、物価上昇と消費の落ち込みをもたらした。依然として成長力を取り戻せないし、失業率も高いので、事実上のゼロ金利は継続する。米国からものを買う時代ではないが、決済市場としてNY市場は世界一の機能だから、どの国も決済用の短期資本を入れている。このカネで米国は国際収支のバランス保っている。このシステムが崩壊したら、インフレでドルが急落して、急激な円高を招く恐れがある。このまま、秋に向けて米国経済の成長を期待するのみである。

  

  次は沖縄基地問題を中心とした日米軍事同盟である。先日、4年ぶりに開催された日米の外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会、2プラス2と言われているが、表面的には合意したが、しこりを残す結果であろう。主要課題は、中国や北朝鮮の軍事的な挑発に対して日米の新たな戦略目標を設定すること、米軍の沖縄基地問題を解決する事だが、形だけの合意は遂げたが、米国では単なる記念碑と報道されている。「文書を出す意味はあるが、実際の日米関係は暫くは動かない」という米国の姿勢である。災害を背景とした民主党政権の漂流が続く限りは、米国としては真剣に検討する余地はない。ただし、形だけは安定強固にしておかないと、周辺国に付け入るすきを与えかねない事を米側は懸念している。



  原発問題について脱原発解散などと憶測されているが、これについては米国との関係をもっと考えるべきだ。原子力開発先進国として、原発推進を揺るぎない政策としてきた米国としては、少なくとも大統領をはじめ米政府は日本の脱原発などは、到底受け入れることはできないことだ。日本が脱原発というなら、これは日米安全保障条約、すなわち日米同盟を破棄してからにしてくれというのが、米政府の基本的な態度であろう。日本国民は日米同盟がなくてもよいと言う覚悟ができているだろうか。日本が現在なすべきことは、起きてしまった原発事故を1年以内には終息のめどをつけて、基本的な技術的な課題として後世に残すことだ。化石燃料原子力に頼る現在のエネルギ政策はあと100年もすれば原料枯渇でなくなるのだから、自然エネルギー開発は今から進めなけれなならない。


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