植物中の放射線量

食物の放射線
  放射能原子核放射線を出す能力のことだから「放射能が怖い」とは言わない。放射線原子核から放出される電磁波や高速の粒子をいう。放射線が物質を通過する能力には違いがあって、アルファ線(α線)<ベータ線(β線)<ガンマ線(γ線)の順に高くなる。アルファ線は紙1枚で止まるが、ガンマ線を止めるには鉛や厚い鉄の板が必要だ。
 

  人体を形成するのに必須の元素のひとつにカリウムがある。バナナ、豆類、イモ類は健康食として知られているが、比較的カリウム含有量が多い。カリウムには僅かな量であるが放射線を出すカリウム40が含まれている。成人にはカリウムは体内に150グラム前後あり、放射線を5000ベクレルほど出している。年間被曝量に換算すると、0.3mSvとなる。これによる内部被ばく量は食品安全基準の最高レベルのホウレンソウを数キロ単位で食べた場合と同程度である。


  311以前での自然放射線量は世界平均で年間2.5mSvであり、日本では平均年間1.5mSvとなっている。毎日の新聞に掲載されている値の単位は時間あたりμSvとなっているから、これに換算すると、世界平均で毎時0.28μSv、日本平均で毎時0.17μSvとなる。現在の新宿駅周辺での値は0.06μSvだから、全く福島の事故の影響はない。


  ベクレルという単位は、放射線物質が放射線を出す量で、1秒間に1個の核分裂が起きて、放射線が出る量を1ベクレルという。放射線を受ける量にはグレイという単位が使われるが、人体への影響を表す単位としてシーベルトが使われている。カリウム全体に対するK-40の存在比は、0.0117%(約1万分の1)で、その半減期は12億年であり、ベータ線ガンマ線を放出する。