総理の資格

首相が変わる

  「何かの責任をとるわけではない」と言って退陣する首相に変わって、誰が後継者となるのか29日には決定する。誰がなっても、もはや余り期待できる事はないと思う。かって、民主党は安倍、福田、麻生と首相をたらいまわしした時に「総理が交替するなら選挙をすべき」、「国民に信を問うべき」と批判したが、鳩山、管に続いて三代目をコップの中で選んで、何ら反省するところがない。


  国のトップを国民が選ぶことは民主主義の基本である。ましてや2009年総選挙でのマニフェストを放棄したのだから、政権の正統性すら失われている。だから、解散して民意を問うのが筋であるが、野党の自民党はただ指をくわえて眺めている無能ぶりだ。もはや民主主義はこの国では失われてしまったようだ。


  東北震災と未曾有の福島原発事故に見舞われている日本は、1945年の敗戦以来の瀬戸際に立たされているはずだ。その上、国際的にも中東やアフリカの内乱、EUの通貨危機、米国の国債格下げなど、日本を取り巻く環境も予断を許さない。円高と株下落で日本経済も底が割れようとしている。


  この時こそ、リーダーとして明確な指導力と確固たる政治的な信念を持った首相が望まれている。ところが、候補として名前が出てきている政治家は、連立とか増税などと目先の事しか眼中にない政治家ばかりだ。少なくとも、総理大臣になるには多少の知識、教養、見識が必要だろう。また、この国をどのような方向に導くのか哲学も要求される。管亜流かそれ以下の首相しか持てないようでは、この国には未来はない。