新政権の発足

官僚と大マスコミ内閣

   最後の最後の演説で大連立も大増税も引っ込めた野田氏の狡賢さに、海江田氏はしてやられたみたいだ。これでは財務省の天下となり、官僚のしたい放題の政権が続くことになる。姿かたちは鈍牛みたいだが、泥鰌ドジョウ人生を強調した首相の誕生だ。前内閣でカンさんを支えてきた人だから、何も変わらないとは思うが、3カ月はお手並み拝見でコメントは控えたい。さぞかし財務官僚たちは勝利の美酒に酔ったことであろう。  

  代表選挙の争点は民主党の原点である、2年前に総選挙で国民の支持を得たマニフェストであったはずであるが、大マスコミは揃いも揃って、反小澤か親小沢にしてしまった。日本記者クラブでの共同記者会見では、朝日、毎日、読売のベテラン政治部記者はまるで打ち合わせてきたかのように、小澤氏に関する質問に熱心だった。小澤イコール悪ものという図式で小澤に支持を得た候補者を攻撃する姿は異常としか思えない。


  思えば、この2年間のハト、カン政権をガタガタにした張本人は大マスコミではないかと思えてくる。確かに二人の首相には、手落ちはあったが、霞が関の官僚群と大マスコミとがタッグチームを組み、民主党政権を崩壊させる図式を描いてきたのも事実だ。脱官僚とか記者クラブ制度の廃止を標榜した民主党をこのまま許すわけにはいかなかっただろう。


   これには民主党政権を誕生させた国民も、いつの間にか霞が関特捜部と大新聞の宣伝で、自分たちの判断が間違っていたと思うようになってしまった。そこに襲ってきたのが311大震災だから、すべてが手詰まりとなってしまった。ともあれ、ここで改めて日本国の将来を思い描き、それに向かってまい進する事を期待して、ドジョウ首相に暫くは任せることとしたい。この3ヶ月間は、お手並み拝見期間としたい。