増税で税収減と言う不思議

デフレ下の増税で税収ダウン
    過去にも税収アップを狙って1997年4月から消費税を上げたが、アジアの金融危機に重なり、税収はむしろマイナスで深刻な不況に落ち込んだ。素人でも計算をしてみると、簡単にわかることだが、デフレ下で増税をすれば、国家財政が潤うどころか減少する事は明らかだ。
   

    この4月から6月期で、GDPデフレーターは年間換算でマイナス2.5%だから、何かとてつもない幸運に恵まれれば別だが、ざっと計算しても名目GDPは先行き3年間で毎年マイナス3から10兆円となる。さらに、5年目以降ではマイナス15兆円となるだろう。2011年の名目GDP予想は470兆円であるが、先行き455兆円に落ち込む。所得税の減少は年平均1.5兆円とすると、10年間で15兆円のマイナスとなる。

    政府と財務省は10年間で11兆円の大増税を目論むが、どう計算しても少なくとも5兆円は税収減となる。増税による経済の縮小と税収減に加えて、法人税は下げるから、ますます税収は減る。法人税を下げたところで、ここ5年間の企業に利益配分をみると、株主配当や役員賞与にまわり、従業員の給与にはあまり回らない。これでは税収は増えない。むしろ法人税を上げて貯め込んだ剰余金を回収した方が全体としてはカネが回る事になる。

    国民は東北のためなら増税もやむをえないと言うが、こうして見ると、増税は決して東北のためになっていないことに気がつく。財務省の進める構図は、景気などはどうでもいいから、とにかく所得税と住民税というとりやすいところから取ると言う事だ。これに乗るノダ首相どうかしているが、このままだと、日本経済は大震災と共に沈没しかねない。大震災は絶好の増税の機会だというセリフは狂っている。与党である国民新党が提案している100年償還の国債を30兆円発行すれば、必ず景気が回復するはずだ。