TPPへの対処

TPPの真実

   TPPとは「環太平洋戦略的経済連携協定」で、参加国の間で関税を一切なくし、関税以外でも経済のあらゆる国境を取り払う協定だ。シンガポールブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国の間で交渉が始まった。それにベトナム、チリ、オーストラリア、ペルー、マレーシア、アメリカが加わって、現在9か国で交渉が進められている。環太平洋と言いながらも、現在上がっている国名を見れば、米国だけが突出していて、ロシア、カナダ、メキシコ、中国、韓国、台湾、インドネシアフィリッピンなどは興味を示していない事がわかる。

   日本では平成の開国などと言われているが、これは推進派の掛け声であり、貿易の実態を見れば、日本は既に米などの一部の農産物を除いては開国していることが分かる。1970年から80年にかけての高度成長期では、日本のGDPの30%は海外への輸出に依存していたが、現在は10%程度にしかならない。資源がないから、原料を輸入してそれを鉄や車に加工して輸出する事で日本は成り立っていると言う中学校の社会科の教科書に書かれていた時代はもう終わっている。


   「農業がGDPに占める割合は1.5%だから、これを助けるために98.5%が犠牲になる」というような事は全くの誤りであることが分かる。これまで国内でのTPP反対論が、農業が壊滅するという事ばかりが前面に出ているが、TPPについては全部で24項目があり、よく見ればサービス、労働など様々な影響を被る分野がある。「アジア太平洋の40億人を日本の内需として」見ると言う外務大臣の考えは事態が何も見えていないことは明らかだ。

   11月11.12.13日に、ハワイで行われるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、参加交渉入りするか、しないか、で今揺れているが、それぞれの分野で利害得失を詳細に検討して、全体を判断すべき問題だ。地球という限られた住み家の中で、人類が共存共栄を図っていかなければならにことは明らかだ。すべてが自国にとって有利となる方策などは存在しない。人類の将来にとって、理想的な道を探していかなければならない。


*Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement

http://luna-organic.org/tpp/tpp-2-1.html