地球環境を守ろう

温室効果ガス排出削減ルール

COP17のポイント
    温室効果ガス排出抑制に関する現在の国際的な取り決めが、1997年12月に締結した京都議定書だ。日本は2008年から2012年までに、1990年に比べて6%減らすことを約束している。このような数値目標を約束しているのは先進国だけで、新興国や途上国には削減の義務が課されてはいない。その後の経済発展は先進国ではあまりないが、中国などの新興国では著しく、それに伴い排出ガスの量も飛躍的に増大した。


    現時点で、世界で最も多くのガスを排出している国は中国であり、世界の25%の排出量であるが、削減の義務はない。また、20%と中国に次ぐ排出量の米国は、京都議定書の批准を拒否したままである。現在、日本やEUなど排出量の削減義務を負っている国のすべての排出量を合わせても25%しかないので、温室効果ガス削減の実効性がない。中国などの新興国アメリカなど主要な排出国すべてに削減義務を課す新たな国際ルールを制定する時期に来ている。


    京都議定書の期限は2012年12月末で終了するので、温室効果ガス排出抑制に関する取り決めが急がれている。今週から南アフリカのダーバンで190の国と地域が参加して2週間の日程で、地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17が開かれている。この会議の焦点は、前述の通り、京都議定書に代わる新たなルール作りを主張する先進国と議定書の延長を主張する新興国の対立である。温暖化対策後退への懸念が高まるなか、新たな枠組みを作ることができるかどうか、各国の歩み寄りが期待されている。日本は原発事故のために、目標達成は困難な状況の中で、どのようにして各国の理解を得ていくのか難しい交渉だ。

*COP17(コップ17):国連締約国会議( Conference of the Parties)の略で環境問題に限らず,多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されている