ビジネスは自分の頭で

ネットはビジネスの補助手段

時には孤独たれ(2)

  学生も含めて今の若者たちが、ネットを頼りにしないと生きていけないような風潮を戒めるつもりで、昨日書き始めたが、話が少し昔話になってしまった。先日、ある企業の人事担当者に会う機会があった。入社前の研修会や入社後の新入社員教育では、何も言わないとほぼ全員がタブレット端末かスマホを持ってきて机の上に当然のように置くそうだ。それがまずはビジネスとして当然のことと思っているという。そこで、教育担当者は準備していた小型のノートを配布して、IT機器はバッグにしまうように指示したところ、全員の顔に不安そうな表情が浮かんだという。
 

  まるでビジネスはIT機器でするのが当然と思っているらしい。そうではなくてビジネスは自分の頭で考えて、人と人が顔を突き合わせて行うものであることから教育を進めるという。日本でのメールの本数は、毎日20億万通あるが、その内、7、8割はゴミメールと言われている。大企業の管理職ともなれば、日に300通ものメールを受けるが、全部目を通すことはできないし、目を通す必要もない。重要な意思決定事項をメールで送りつけたら、連絡が終了したと思っていたら大間違いだ。


  ネットで流れてくるSNS、ブログ、メールなど、自分も参加しているから分かるのだが、そのほとんどは余り価値のあるものはないと思わなければならない。真実の情報はネット上にあるのではなくて、自らの足で見つけ出し、自らの頭で生み出し、はじめてIT機器を使って、文字の情報として文書にするものだ。メールやツイッター中毒にならずに、たまには1人で海岸や山に行き、孤独の中で思索を重ねる修練を積むことで、さらなる新しい自分を発見することができるような気がする。