原発を考える

白熱教室
   ハーバード大学Sandel教授の白熱教室では、愛国心と正義、死刑の善悪と言うような議論が分かれる難しい問題が提議されている。もとより白か黒の結論を出す事が目的ではなく、頭を活性化させて討論する事が求められる。原発は継続か廃止かという二者択一の議論を進めるのではなくて、今、現実的な道は何かを求めるべきだ。

   1963年10月26日、東海村で初めて原子力発電が行われた。この50年間に商業用の設備は54基となって、2010年には電力の30%を供給していた。初期の段階で原発に反対したのは湯川先生だけで、原発は危険だから中止せよという声は学者は勿論、殆どなかった。今となっては全てを負の遺産とはできない。いずれはウランの枯渇で、世界中の原発はなくなるだろう。また化石燃料もいずれは枯渇する。人類はその間、様々なエネルギー源を開発していかなければならない。


   昨年の夏は東北方面への旅行はしたくなかったが、今年の夏は関西方面への旅行だ。何故ならば突然に停電になって灼熱地獄に襲われる心配があるからだ。熱中症の被害も増えるだろうが、京都や滋賀の知事さんたちが責任をとってくれるのだろう。また、企業にとっては電力の安定供給は生産計画の基本だから、電力リスクの存在は脱日本の要件となる。福島の事故を起こした4基は原発としては廃棄処分されたので、日本の商業用原発は50基となった。