1国2制度

香港とマカオ訪問記   
   GWに先立ち、1997年7月にイギリスから返還された香港、1999年12月にポルトガルから返還された澳門に行ってきた。20年くらい前に訪問した事があるので、中国になってからどのように変貌したのか興味があった。また1国2制度という、我々には考えられないシステムが、どのように機能しているのかについて知りたかった。何故ならば、中国が真の意味での近代化を遂げるには、この旧植民地が果たす役割が大きいものと考えていたからだ。双方とも20年前と比べたら、経済的な発展だけはよく理解できたが、通貨、言葉、システムなどは全部、中国本土とは違うこともわかった。


    中国語を理解しているわけではないが、中国語は唯一つの言語があるのではなくて、上海の人と北京の人では会話ができないくらい中国語は幅が広い。香港には北京語学校から広東語の学校など様々ある。その上に英語や日本語など小学校から3ケ国語ぐらいの学習が普通だ。また、勉学の程度でクラス分けもあり、子どもたちは遊んでいるとどんどんおいて行かれる。日本人観光客にとっては、ここでは昔の漢字が使われている所だから、看板の文字などは北京などにいるよりも分かりやすい。


    香港と澳門の間は船では50分、ヘリコプターで10分位の距離であるが、ビジター以外でもパスポートチェックがある。それくらい、この2地域への出入りは厳しく管理されている。本土の中国人が香港の居住権を得るには1億円はかかるみたいだ。香港で子どもを産めば、その子には香港で出生届をだして居住権が得られるから、妊婦がカネを使って香港の病院で出産することが行われている。しかし、これも制限が厳しくなっていると言う。つまりカネが高くなっているみたいだ。


    香港の人口は現在、700万人だが、観光客は昨年5000万人で、その内3000万人は本土からの中国人という。20年前は日本から訪問者はお金に見えたが、今は中国人がお金に見えると言われた。中国人の10%は富豪がいる。人口は13億人だから、日本人の人口と同じだけカネ持ちがいることになる。幸いなことには、地震原発災害があっても安心安全という日本ブランドだけはまだ生きているみたいだ。香港の人たちにとって、最も行きたい国のトップは日本で、北海道の雪や温泉、日本食にあこがれているという。マカオについては別の機会に紹介したい。