中国との付き合い方

難しい隣人関係
付き合いの難しい隣人  
   この秋に主席交代が迫ってきた中国にいつもの動きあった。急速な経済大国化に邁進するのはいいとしても、昔からの権謀術数を背景とした素顔が出てきた。中国中央政府から追放された薄熙来氏は唱紅(毛沢東運動)と打黒(やくざ撲滅)という二つの政策で、いわば胡錦涛氏の逆鱗に触れた。10月の政権交代を控えて、できるだけ権力の温存を図りたい思惑からだ。いつまでもこのような無理をした共産党独裁が続くわけがないと思う。

   中国問題を読み解くキーワードは、領土、民族、人権、格差、資源の5ポイントだ。中国が領土問題や南京事件で騒ぎだす時には、必ず内政でさまざまな問題を抱えている時だ。国民の目を外に向けて批判をかわそうとする政策だ。日本でもこのような手は昭和10年代には良く使われた。北朝鮮でも同じだ。食糧不足がいよいよ迫ってくると、中国漁船でも兵器で拿捕して、領海を犯したと騒ぐと国内の関心を外にそらすことができる。1989年6月4日天安門事件を前にして中国政府は陳氏を出国させた。人権、商標権、格差など問題だらけの内部を引き締めるために中国は外に向けては、スポーツ強化、領土問題、南京問題を投げかけている。いずれはこのような方法では内政問題を処理できなくなるだろう。

   税関では毎日千種類ものコピー商品が摘発されている。その90%は中国製という。中国の商標権ビジネスはとどまることを 知らない。日本の固有名詞は殆どすべて登録されている。先日、訪問した香港ではやたらと「日本」という看板を目にした。これも登録されていて使えばカネを取られる。意味は安全安心と言う事だそうだ。例えば、日本食堂は日本食はない。商標権といい、コピー商品といい、領土問題と言い、日本はこのような厄介な隣人とこれからも付き合っていかなければならないのだ。黙っていたら、やがては中国領日本県にされてしまう恐れすらある。どんどん文句を付けることだ。