海外への企業展開

日本企業の覚悟
   隣人と言うのはどこでも付き合い方が難しいものだ。竹島尖閣など領土問題以外にも、様々な問題があることは分かっていても、日本の企業は韓国と中国との付き合いから離れることはできない。国内経済を製造業に限ってみると、成熟期を迎えているから、生き残るためには海外展開、特にアジア諸国を中心にしなければならない。日本企業による海外企業のM&A円高を背景として金額や件数とも急激に増加している事からうかがえることだ。
  

   中国では不動産バブルが続いていて主要都市の住宅価格が跳ね上がっている。いつ崩れてもおかしくはない。GDP総額で日本を抜いたといっても、1人当たりでは10分の1であり、その上に、格差が激しく各地で反政府デモや暴動の芽は育っている。共産党政権の末端では役人の腐敗、治安の維持も危ない。共産党政権の一党独裁は進出する企業にとって悩みの種だが、チャレンジして行くしか生き延びるすべはない。

   中国問題を読み解くキーワードは、領土、民族、人権、格差、資源の5ポイントだ。中国が領土問題や南京事件で騒ぎだす時には、必ず内政でさまざまな問題を抱えている時だ。国民の目を外に向けて批判をかわそうとする政策だ。日本でもこのような手は昭和10年代には良く使われた。北朝鮮でも同じだ。食糧不足がいよいよ迫ってくると、中国漁船でも兵器で拿捕して、領海を犯したと騒ぐと国内の関心を外にそらすことができる。

   税関では毎日千種類ものコピー商品が摘発されている。その90%は中国製という。中国の商標権ビジネスはとどまることを 知らない。日本の固有名詞は殆どすべて登録されている。先日、訪問した香港ではやたらと「日本」という看板を目にした。これも登録されていて使えばカネを取られる。意味は安全安心と言う事だそうだ。例えば、日本食堂には日本食はない。商標権といい、コピー商品といい、領土問題と言い、日本はこのような厄介な隣人とこれからも付き合っていかなければならないのだ。大陸に進出する企業にとっては、さまざまな危機管理を予測しながら、仕事の成果を上げていかなければならない。