指揮権

法務大臣の指揮権について
   野党の意向で行われた内閣改造では、参議院で問責決議が可決されている防衛と国土交通大臣だけかと思っていたら、法務大臣まで更迭された。どうやら小川氏は配下の法務省検察庁から嵌められたようだ。辞任理由も「国会で携帯の競馬サイトを見ていた」ということだが、委員会に早く着席し開始前に、30秒くらい見たところを、あたかも審議中に見ていたかのように報道されたということだ。さらに、小川氏の土地取引の問題で起訴されるという噂まで流されていた。そこで辞任会見では、検察に対する指揮権の問題に言及して、あたかもこの事で解任されたかのような印象を与えたのだと思う。検察と一体のマスコミは一斉に「指揮権発動」について否定的見解を掲載している。

   検査の証拠捏造問題については、小沢裁判の1審判決で裁判所も、検察の体質を厳しく批判し、作成経過や理由についての徹底調査を求めている。裁判所は検察組織の問題だと言った。検察はそれを無視している。そもそも、記憶違いという前提で捜査を進めること自体が間違いだろう。田代検事が意図的に捏造したという前提で、どこまで捜査をやったのか。裁判所の指摘を認めてしまうと大変なことになると検察は逃げうった感じだ。これでは地に落ちた検察の信頼は回復しないで、国民からもソッポを向かれてしまうだろう。裁判官、検察官、弁護士の経歴を持つ小川前法相が野田首相に指揮権発動をGW明けに相談した。了承を得られなかったが、継続して首相を説得するつもりだったという。

   検察が内部の問題で何かをかばっていたり、躊躇しているようであれば、それを解決させるのが法務大臣の役割であり責任だ。「指揮権発動」は法相の専権事項で、総理の了承は必要としない。退任会見で明らかにしたのは、問題提起が必要だと考えたからだろう。検察は田代検事を不起訴にし、戒告など行政処分だけでお茶を濁そうとしていた。この問題を少しでも早く決着したいが、なかなか処分が決定しなかったのは、小川前法相の存在が大きな要素だったと推測される。