世界へ若者たち

世界に飛び出せ若者たち

出る杭は打たれる世代からの転換

   現在、1945年以前に生まれた戦前世代が20%となっている。戦後生まれの世代、いわゆる団塊の世代も定年となり、先進国では最も高齢化社会となっている。社会福祉制度の改革が進められているが、最も重要なことは若い世代が存分に活躍できる仕組みを先輩たちが整えることである。これまでの日本の教育は平等主義で、できる子もできない子も皆な仲良しでと言うのが文部省の基本方針であった。人と変わった事をすると、仲間外れとなり先生からも怒られたりした。算数の問題でも先生の言うとおりに解かないと、答えが合っていても減点される。このような悪平等主義はグローバル時代には合わなくなってきた。

   


   すべての教育機関や個人が当事者意識を持って、グローバル人材が必要な時代に生きていることを認識し、国に支配されて来た教育の仕組み制度を考え直す時に来ている。グローバル人材の育成、国際競争力の強化が国の浮沈を支配する。これまでの教育に見られる平均主義、減点主義からの脱却を図り、出る杭を伸ばす教育へ移行して行かなければならない。

   遅まきながら文部科学省も、国家戦略会議で小中高校の六三三制を柔軟に運用することなどの教育制度改革案を提案した。高校を2〜2年半で卒業できる制度、いわゆる「飛び級」の創設も含まれる。優秀な生徒がいち早く大学で学べるような制度にし、国際競争力を高めるなどの狙いがあるだろう。このような制度は米国では当然のこととして運用されているし、韓国や中国でも実施されている。

   ともすれば日本の社会では、いつまでもシニア世代がはびこり、カビの生えたような考えで若者たちの芽を摘み取ることが行われて来た。そして、若者たちを内向き姿勢などと決めつけてしまう。学生たちに中に入ってみると、必ずしもその通りではないと気がつく。「大学生のうちにから海外で勝負をしてみたい」とか「就職前に世界一周して、見識を深めてみたい」という学生もいる。若者にとって大切なのは、制度や観念にとらわれることなく、若者同士で目標を共感し合い、結束していくことだ。国内進学や海外留学、起業など、目標達成のための選択肢はたくさんあるということを認識することだ。大人たちは若者の突進力をささえて、若者が伸び伸びと自己表現できるようなプラットフォームを構築して行くことだ。