法務大臣の椅子

法務大臣の椅子
    法務大臣が直ぐに変わるよりも、もっと重要な問題が隠されている。陸山会事件での虚偽報告書作成事件で、検察は6月末に田代検事、佐久間元特捜部長ら関係者を不起訴処分にした。その前に指揮権発動を口にした小川大臣の首を首相がはねた。後任の滝大臣は何もしなかった。その人が再任された。

    小川「僕の場合は法務省の役人の言うことではなく、自分自身で判断していましたから。でも、もし、最終的な処分や調査結果について、法務省の役人の話だけを聞いていれば、あ、そうかで終わってしまうのではないでしょうか」。検察は首相を動かして小川大臣の首をはねたと容易に想定される。

    無理筋の不当捜査で政治に重大な影響を与えた陸山会事件で、東京地検特捜部が引き起こした「内容虚偽の報告書で、検察審査会の判断を誤らせる」という重大な問題に対して、11月12日に高等裁判所の判断が示される。田代検事の「記憶違い」で片づけられる問題ではない。

    PCの遠隔操作による警察の誤認逮捕の問題でも、警察や検察の取調べで不当な自白誘導が行われ、自白の信用性の裏付け捜査も行われなかった事件が起きた。遠隔操作だけをマスコミは取り上げているが、実は誤認逮捕の方が重大なだ。検察に対する国民の信頼が崩壊し、普通の国民に対する重大な脅威になっているこ事が明るみに出された。法務大臣には検察崩壊を立て直す重責がかかっている。