官僚指導国家(1)

官僚指導国家(1)
    まず官僚が「こういう政策をやりたい」と考える。その所属する省庁内での議論を経て「実行しよう」ということになれば、その法律の原案が作られる。こうしてできた法案は、霞ヶ関の全省庁との間で調整がなされた後に、内閣に提出される。日本の法律の80%以上は、こうして官僚の頭と手で 作 られる。   

    次に、内閣法制局で法律の形式的なチェックが厳格に行われる。憲法や既存の法律との整合性がここでチェックされる。閣議決定を経て内閣提出法案となり、衆議院あるいは参議院に送られる。そして、両院で可決されれば法律として制定される。もう一つのルートは議員提出法案「議員立法」がある。

   議員立法はハードルが高い。「実現したい政策」を法律の文書にする事の難しさ、予算措置が必要な場合は、衆議院で50人、不要なものでも20人の賛同者がいなければ法案自体が提出できない。さらに、予算案を作り、それを活用できるのは内閣以下の行政府だけだ。立法府の議員だが立方は困難だ。

    提出される法案の約80%が内閣提出によるものだ。議員提出法案の成立率は引くういから、90%以上が内閣提出法案になりる。日本はやはり官僚指導国家であることが法律作成を見れば証明される。米国では逆に法案の70%が議員立法だ。これこそ真の民主主義だ。