デジタル化に敗れた製造業

デジタル化へ向かう製造業
1.20世紀はアナログの時代で優秀な技術を持った企業が勝利を占めた時代だった。21世紀はデジタルの時代で優秀なソフトを開発できる研究機関の時代になった。技術的にはデジよりもアナの方が日本的な細かいテクニックを要し、これは日本の電気メーカーの独壇場だった。デジ時代にはアナ時代の工場閉鎖もやむ負えない。

2.デジ革命というのは、モーターやベルトと言ったメカニックな駆動部分がなくなり、すべてが半導体のソフトに切り替わる革命を意味する。ハードの製造技術ではなく、ソフトの設計能力であり、ソフトを生み出す研究機関さえあれば、工場はどこにでも委託生産することができるので、自前の工場は不要となった。

3.その典型例がアップルで、コンセプトを実現する設計技術ができれば、部品や商品の製造は日本、中国、台湾、韓国のメーカーで最も低コストで品質もそれなりの企業に任せている。自前で工場をもつ時代は終わって、コンセプト、ソフト開発力が問われている。日本の電機企業が陥った陥穽は、ものづくりに拘り過ぎた事にある。これからはモノ想いこそ使命を制する。未だに、日本の理工学部ではものづくりの看板を掲げている大学が殆どだ。