円安か円高か

円安か円高
1.円高か円安かの議論をもっと深めるべきだ。安倍は円安誘導と金融緩和でデフレ脱却というが、日本経済を破壊する危険な芽が潜んでいる。「円高になると輸出が減る」と教科書にある。事実、今年は貿易赤字が6兆円になるだろう。然し、内容は輸出減は僅かで、20兆円の配当金利黒字を考量しても、化石燃料の大幅な輸入増によることが分かる。

2.これは1ドルが80円での数字だが、円安で100円になれば単純計算で赤字は20兆円だ。それに、日本の輸出額は高度成長期ではGDPに占める割合は30%だったが、今では10%だ。つまり輸出立国という固定観念にいつまでも捉われてはダメだ。原発が使えない現在、油とガスの輸入拡大は欠かせない。

3.円安による輸入エネの増大で、電気、ガス、石油、ガソリンなどすべて高騰する。金利配当は黒字でも、経常収支赤字国へ転落し、長期国債金利は上昇し、それこそギリシャ状態になる恐れがある。円安誘導ではなくて、節電家電、省エネ車、地域節電、再生エネ開発など内需拡大こそがデフレ対策の有効な対策なのだ。

4.国際的に成長著しい韓国はウォン安誘導でGDPに占める輸出の割合が50%に達している。輸入燃料代が増大して、韓国国内ではガソリン代など全て高騰している。日本では電気、車などの産業が国際競争力を失ってきているが、現状の輸出力は技術力で何とかキープしている。極端な円安誘導は国を破壊する恐れがある。